Tsukuba DTM blog

筑波大学作曲サークル DTM Lab. のブログ

【作曲界隈のエンドコンテンツ】楽曲公募のすすめ

こんにちは。フトンガメです。 今年も始まって早一か月、今年の目標は「一か月に二曲公開する」ですが、何とか守れそう。 今回は音楽ゲームの公募に焦点を当てた話をします。

楽曲公募に参加する恩恵

ここでは、楽曲公募とは「音楽ゲームにおいて、コンテスト形式で楽曲を募集し、高い評価を得た楽曲を採用し、実際にそのゲーム内でプレイできるようにするもの」と定義します。 採用されれば言うまでもなくデカいメリットが待っていますが、採用されなくてもいくつか恩恵があります。

聴いてもらえる人が増える

これはわかりやすいかも。 現在の音楽の飽和具合をみると、いい楽曲だからといって聴いてもらえるとは限らないのが現状。 逆に、少しでもcommercialな手段をとって楽曲をより再生してもらうのが現代流。ぼくはこれが嫌いです 楽曲公募は、落選供養と称して曲を世に出せば、その音ゲー知名度もあり聴いてもらえることがそこそこあります。 特に、「太鼓の達人」や「Chunithm」など、応募作品すべてを公開するタイプの公募では、採用までには至らなかったものの、一般リスナーの間で話題になった曲もたくさんあります。

実力の向上

これもわかりやすいかも。 楽曲公募では「お題」と称して、ジャンルやモチーフやテーマに沿って楽曲を制作することが多いです。 完全フリー公募は珍しいかも。 このお題に沿いつつ、他の楽曲に埋もれることのないオリジナリティある曲を書く練習はほぼ確実に実力向上に繋がります。 また、楽曲公募は当然ですが、締め切り厳守で一秒たりとも遅延は許されません。締め切りまでの期間でいかに自分の出しうる最高出力を生むかの練習もとても大切です。

公募採用への近道となる

これはちょっと個人の主観入り。 人生初の楽曲公募で採用を勝ち取る人って珍しくて、わりとみんな落ちてる回数のほうが多い気がします。(そりゃ採用楽曲は上位数パーセントなので曲数で考えても落選する可能性のほうがよっぽど高いです) わりと楽曲公募同士で音楽ゲームとして根は共通しているので、別の音楽ゲーム公募で得た知見が他の公募で役に立つことも多いです。 あと、同じ音楽ゲームの公募に2,3回応募していると、審査員に名前を覚えられ、審査コメントで次採用されるために必要な要素のアドバイスを頂けるように感じます。(太鼓の達人とか)

楽曲公募一覧

続いては、自分がある程度認識している楽曲公募について、その所感を記していきます。

ChainBeeT

形態:モバイル なんか高頻度で公募やってます。一年に2,3回やっている印象。その割に採用曲数も多く、応募方法はサンクラやドライブなどのリンクを貼り、必要情報を記入するだけだった気がする。 すでに公開している楽曲もOKで、したがって敷居はこの記事で紹介する中で最も低い公募かも。 でも敷居が低いからと言いてしっかりといい曲を作らないと採用は難しい。

Takumi3^

形態:モバイル コンセプトがガチ志向の音ゲーなので、採用楽曲もいわゆる音ゲーコア多め。ジャンルの隙間を縫う戦略は難しいかも。 すでに公開している楽曲もOKですが、前回は他の複数の音楽ゲームの当落発表と締め切りが近く、大量に音ゲー志向の楽曲が集まり、応募楽曲は1000曲弱まで増えた模様。 試用局数は40曲程度で、その中で上位4%を狙うとなると相当難しい。

Dynamix

形態:モバイル 筆者が出会って早6年、老舗音ゲー枠となっている音ゲー。 2年に1回、公募を開催しており、今年は開催年。 すでに公開している楽曲もOKで、メールで曲のファイル、ジャンル、意気込みなどを記入して提出する方式。 この公募は参加楽曲すべてにメールが送られ、採用・不採用の情報と、応募楽曲で上位何%に入る楽曲だったか知らされる。 正直この形式の公募が一番好き。運営側の負担はヤバいけど。自分の実力がどの程度だったか他の公募よりも詳細に相対化されるのはいい。なお、採用楽曲のなかでも珍しいジャンルの場合はその旨が送られる。 また、ジャンルとして審査不能な場合は失格になることもある。 難しい(採用は上位6%程度)。

MuseDash

形態:モバイル 現在第一回が開催中の音ゲー。 応募方法はbilibiliまたはyoutubeに楽曲を公開する方式。他の公募との多重応募はNG。 この公募は審査員が誰か明記されており、有名コンポーザーたちが名を連ねる

Arcaea

形態:モバイル とても難しい。前回の公募採用者をみると、明らかに仕事として作曲をしている方が多く、半数以上がプロみたいな状況。 さらに未公開曲のみ、テーマ指定あり(毎回これからのArcaeaをモチーフにした曲)で敷居はかなり高い。 ちなみに、アートコアで挑む人がかなりいる気がするんですけど、超激戦ジャンルなので避けたほうがいいかも?

プロジェクトセカイ

形態:モバイル 今までの公募と違い、ボカロ曲限定の公募。 お題制でジャンル指定(EDM)もあれば、ふわっとしたテーマ(元気が出る曲、ダウナーな曲など)も 年に6回程度行っており、あまたの応募曲の中から採用曲は毎回1曲のみ。(プロセカultimateは3曲) なお、最近は2曲採用に変わったらしい。 非常に難しい。

SoundVoltex

形態:アーケード あまり公募については存じ上げないのですが、通常の公募の他、リミックス公募やイラスト公募などをやっている印象。 ↑間違ってたらすいません

Chunithm

形態:アーケード 年一回程度開催。niconico動画に動画を投稿する形式。 お題あり公募で、人気投票で上位となったキャラクター(5名程度)をモチーフにした楽曲を投稿。 中間発表として、各キャラクター部門ごとに最終選考に残った4曲が発表され、最終的に各部門1曲が採用となる。 非常に難しい。

太鼓の達人

形態:アーケード 年一回程度開催。専用アカウントを登録し、その後楽曲を投稿する形式。 アカウント登録に身分証明に使えるものの提示が必要なので時間がかかる。応募する前にやっておくとよい。 応募楽曲すべてが特設サイトで聴けるようになり、アーケード界隈も盛り上がっている印象。 10曲が採用楽曲として太鼓の達人に収録、審査員ごとに若干曲が佳作、準佳作として選ばれ、採用のためのアドバイスをいただける。 そもそも音ゲーとして他の多くの音ゲーと異なり一レーン式で、さらにプレイヤーの演奏を加味して完成される一曲を作る必要もあり、実は異色の公募かも。  非常に難しい。

おわりに

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 自分自身、合格した公募も落選した公募もあり、(採用・不採用に関わらず)そこそこ運の要素もあるのかなと思います。 落選して落ち込みすぎるのもよくないです。 あくまで「エンドコンテンツ」であり、その合否で曲の貴賤が決まるはずはないと思っています。 力試し程度に受けてみるのがいいのではないでしょうか。(採用されたらめっちゃ喜びましょう!) ではでは。