Tsukuba DTM blog

筑波大学作曲サークル DTM Lab. のブログ

2022年に書いた曲の振り返り(12/12)

はじめまして。4年のらばす(@_rabasu_)と申します。TDL.アドベントカレンダー12日目を担当させていただきます。

今回は私が毎年個人ブログでやっている「今年書いた曲についていろいろ自分語りする」というのをやっていきます。一応曲のリンクは貼りますが、最悪聞かなくても大丈夫です。

「こういうこと考えて曲を書く人間もいるんだな」って感じで楽しむ&参考にしてもらえればと思います。コード進行とかも載せときます。でも本当は聞いて欲しいかも

 

1.かつて隠れ里(「Shurikenn Hurrycane」収録)

春M3で頒布した「忍者」をテーマにしたCDに出した曲です。

和風で静かな感じのを書きたかったのと、セールで買ったギター音源(Ample Guitar T)を使うのが目的だった気がします。感想としては「思ったほど使いやすくはないけど音は最高、発声に遅延があるのでwavにして前にずらしたい」。

イントロと後半の静かなメロとか雰囲気は結構気に入ってるんですが、前半の4つ打ち地帯が微妙な感じ。音が固いというか尖ってるのでちゃんと処理すべきだったかも。あと低音強すぎる気がする。音少ない。ダメダメか?

ラスサビは対位法を見よう見まねで別メロ書いて重ねました。

コード進行はムンべっぽい地帯がオーソドックスな4563、静かなパートは4566→4563→455#6→456です。「IVm→V→VI」からの派生はベタに感動系の雰囲気が出せます。4561とかはさわやかでベッタベタな洋楽とかEDMっぽさ、4536はいわゆる「王道進行」で熱い&感動系ポップス、455#6はアクセントが効いてて派生の中にちょっと挟むとエモいです(ずっと使うと求心力が低下する気がする)。

 

曲名はノリです。「かつて隠れ里(だったが今はその由緒も忘れられている)」的なニュアンス。忍者はともかく平家伝説とかそういう村ありますよね

 

2.Houtguinjen(5月EP「春日八丁目」)

ラスト一年の開幕と言うことで「いい加減Artcore書くぞ」の気持ちで書きました。

多めの展開とか泣きメロとか最後ハーフビートになるのとか好きなことがいろいろ詰め込めたので満足してます。中盤サビ前のストリングス地帯はちょっと長すぎたかもしれません。

あと割とコード進行で遊びました。例えば中盤のストリングス地帯は

VIm9→IIIm7→V/I→IVmaj7→IV#dim7→V9→IIm9→V/I→IV#/VII

みたいな感じ。どうやって考えたのかはちょっと覚えてないんですが、ベースを半音上昇させるdim7(いわゆるアセンディングディミニッシュ的なの)は使いやすいわりに面白くエモい響きが出るので重宝してます。

サビは

VIm→V#aug→VIm7/V→IV#m7♭5→IVmaj7→III7→[VIm7→V#m7]→[Vm7→I7]

前5つのコードでI・III音(C#メジャーなのでC#とF)を共有しつつベースが半音下降するクリシェみたいな感じです。

とここまで書いて致命的にわかりづらかったので画像つけときます。

(key=C#メジャー)

 

曲名は私が趣味で作ってる人工言語(Hjesbek語)で「作られた記憶」という意味です。発音は「ほうtぐいにぇん」です。そういえば人工言語の創作も最近進んでいません。

 

3.筑波大賞典(G99)ファンファーレ(9月EP「なんで今年こんなに暑いのって毎年言ってる気がする」)

夏恒例・仮面発表会*で作った曲です。架空の競馬ファンファーレという奇行。

*仮面発表会……みんなが書いた曲を作曲者を伏せた状態で聞き、誰が書いたかを当てるゲーム。沢山当てるほど&自分の曲がバレないほど高得点が貰えます。

詳しくはこちらの記事参照↓

tsukubadtm.hatenablog.jp

 

正直オーケストラとかわからんしいい音源もなかったので、既存ファンファーレの耳コピ楽譜をリファレンスにしながら書きました。メロディはすぐ思いついたんですが、うまい事ハモらせながら違和感がないように複数のメロを別の楽器で重ねるのがま~むずい。シンプルかつ一発ネタなのでなんとかなりましたが本格オケ書ける人はやっぱりすごいです。

音のしょぼさはいかんともしがたいけど解答者の攪乱にはなったので満足です。

ちなみにこんな曲を書いたのはここ一年ほどウマ娘と競馬にハマっていたからです。メイケイエールとドウデュースが揃って負けた日からお休み中ですが。

 

仮面発表会参加時も曲名は同じ、コメントは「天王台競馬場・芝9900mで争われます。」。仮面の時は歓声やら手拍子やらを重ねて入れてましたがEPに出すにあたって削除しました。オイオイ民はいらない、いいね?

最初は本馬場入場風にして「デイテイエムヤメロ」とか馬の名前呼ぼうかと思ってましたがネタが出ないのと曲書けないのと寒すぎるので断念。

 

4.Triquetra(9月EP「なんで今年こんなに暑いのって毎年言ってる気がする」)

※oblivious & rabasu & 3mol名義

夏は合作(枕草子

お相手は新入生のおぶりー君と3mol君。今年の新入生はみんなレベルが高くてビビりますが、同時にいい刺激になったような気もします。

アートコアチックなムンべを作ったのですが、リズム隊・全体編曲・ベースなど大部分をおぶりー君が、メインのメロディなどを3mol君が担当してくれました。私は途中二回くらいあるストリングス地帯と数か所のコード付けを担当しました。

せっかくだしってことでかなりコードは遊びました。コード機能とかから考えたってよりはクリシェや経過和音的なアプローチでmidi見ながら打ち込みって感じ。

3mol君のメロが大変カッコいいのとおぶりー君の音が良すぎたため実質優勝です。二人ともありがとう!!

 

5.TDL.2022 summer ending(9月EP「なんで今年こんなに暑いのって毎年言ってる気がする」)

※Tsukuba DTM Lab.名義

夏記念のメンバー11名ほどによる合作です。1人15秒程度の時間が与えられ、前の人に続いてどんどん自分のを書いて付け足していくという形式。

私は五人目を担当、なんかエモい感じのピアノを書きました。前半のLoFiな感じはRedlight DistortionというStudioOne付属エフェクトとホワイトノイズを重ねています。

みんなやりたい放題やった結果相当カオスになってますが、個々人の味が出ている上相当な展開で強制的に聞き飽きさせない名曲です。みんなきいてね

 

6.BrokeN HeartZ(「Twin paradoX 8」収録)

※bandcamp未公開、クロスフェード1:39~

毎年恒例Twin paradoXに出した曲です。

「complextro」というジャンルの曲を書きたいというのが最初の目標。いくつか曲を聴いて、「四つ打ち」「ベースがいろんな音色で細かく切り替わる」「ダッキング*が強めに掛かってる」的なのが特徴かなと判断。

*ダッキング……ここではキックに合わせてウンワウンワさせるサイドチェイン的なやつ。キックが鳴る瞬間だけそれ以外の音を潰すことで、「キックの強調」「全体的な音圧の上昇」「グルーヴ感の強化」みたいな効果があります。Duck派もいますが私はLFO Tool派です。

ベースはserumの他にサンプルパックのやつをピッチ替えていじったやつなどを使いました。StudioOneはこういうとき雑に音程を変えられるので楽。

また全体的に音数を増やした方がよさそうなので飛び道具系のFXを多用、楽器もいろいろ重ねてしょぼく聞こえないように注力。FXはいつものKYMOGRAPHのほか、Glitch系のやつを試しに使ってみました。電子音楽って感じがして良い。これまで使っていなかったmassive・新しく買ったSublabなどの試用も兼ねてました。

ボーカルはいつも通りspliceから。途中ドロップ前のボーカルパートのコード進行は以下の繰り返し。

VIm9→[VIIm7♭5→VI#dim7]→VIm7→[IV6→V6]

ボーカル素材が「C#m」と指定されていたので、C#マイナーキーと仮定して平行調のメジャーで作曲(私は短調も実質長調だと思っている節があるのでこの変換を良くやります)。耳コピしたボーカルのメロと聞き比べつつ、C#m(VIm)を中心にその周辺をうろつくような形でコードを考えました。メロディにコードを付ける形だったので割とフィーリング強めです。

 

サビのコードはいわゆる王道進行(IVm→V→III→VI)。メロがカッコよく書けたので満足です。ラスサビ入るところの半音上でサビの一音目→突然のキャンセル→さらに半音転調してラスサビ、って流れ自分で書いといてなんですが好き。

ただサビを豪華にしようと音を重ねた結果ちょっと聞き取りにくくなってるかもしれないです。スピーカーで爆音で流せば解決なんですがそうはいかないのでもう少し調整できた気がする。あるいはもっとしっかり音の処理をするとか……

 

曲名はボーカル素材が「If you gonna break my heart...」って歌い出しだったのでそこからの連想です。

ちなみになんですが、私は曲名付ける時必ずその曲名でググってバッティングしてないか気を付けてます(いつか公開した際に被りたくないため)。例えば「Heartbroken」「heartzbroken」あたりはやめました。

7.未公開

まだなにも情報出てないので伏せておきますが合作1曲作りました

 

以上合作など含め7曲……7曲!? 水増ししてこれは減りすぎでは(去年は10曲)

公募のために書いてた曲が卒論やらの準備と重なり頓挫→お蔵入りしたのとシンプルに時間なかったのが原因ですね。

来年度はもういないわけですが卒業までに1・2曲EP出せたらいいなって思います。

 

ではまた二周目でお会いしましょう~らばすでした。