Tsukuba DTM blog

筑波大学作曲サークル DTM Lab. のブログ

456を使って誰でも簡単DTM(12/4)

456を使って誰でも簡単DTM-前篇

 本稿では456について紹介していきます。単に4-5-6となる進行だけでなく、4,5,6のコードを中心に扱う簡単なコード進行群が中心です。

 作曲初心者だとコードを勉強しようとしたときテンションがどうだのトニックだかなんだかがどうだのと新しい言葉や概念に翻弄されがちです(偏見)。いずれ勉強して身につけるべき要素ではありますが、ここで作曲を諦めてしまう人も多いように思うので、今回はそういった知識皆無でも大丈夫な感じにします。

 逆に超基礎的な内容もネットの叡智を頼ったほうがわかりやすいと思うので省略します。

 本稿で必要な事前知識としては

  コード=和音のこと。本稿では三和音のみ扱う。ルート音(=一番低い音)と第三音(三和音の真ん中の音)の間が半音3つ分だとメジャー(M)、半音2つ分だとマイナー(m)という。白鍵上で間1つずつ開けて3音鳴らしたらだいたい三和音のコードです。
  コード進行=コードの連なりのこと。曲の雰囲気や特徴を示すことができる。
  コードの表記:数字はそのスケール(調)での主音からの距離。例えばⅣはCMajarスケールにおいて主音C(=ド)から4番目の音F(=ファ)をルート音とするメジャーコードを示す(メジャーコードは基本後ろに何もつけないです。マイナーコードだとmとかつきます)。

 ぐらいなことです。

 一応書いておくと、音楽知識皆無人間が己の経験だけからひねり出した内容なので参考にするのは程々にしてください。

 今回紹介するコード進行を使うときはいくつか注意点があります。まず、メロディでⅣの音(CmajarならF)の音はできる限り避けること。使うとなんかもにょる事が多いので……。アボイドノートとかで調べるといいかもしれませんね。
 あとはスケール外の音は基本的に避けましょう。ただスケール外でも結構ハマってかっこよくなる音もあります(今回使うメロディでも一瞬だけ入っています)。ブルーノートとかで調べてみるといいでしょう。

 

 メロディは以下のものを中心に取り扱います。

 

456の種類

 本稿では、456を2つの種類に大別して考えたいと思います。
   1つ目は4から始まるコード進行群
   2つ目は6から始まるコード進行群

 5から始まるコード進行はあまり使いません。なんかもにょるので……。

 今回は4から始まるコード進行群を中心に取り扱います。

4から始まる456進行

4-5-6シリーズ

 まずは456の大本となる4-5-6を使った進行について紹介します。単に4-5-6とは言え、これだけでも様々なコード進行が考えられます。


1つ目は、4-5-6 そのままです。

 正確に表記するとⅣ-Ⅴ-Ⅵmというような進行です。CMajarだと、F-G-Amという進行ですね。

 うーん、456だ……という感じ。なんというか最後のⅥmが終わり感を醸し出している感じがします。


2つ目は、4-5-6-3 後ろに3がくっつきました。

 正確に表記するとⅣ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲmというような進行です。CMajarだと、F-G-Am-Emという進行ですね。

最後に少し不穏な感じを醸し出して次の進行への期待感ないしは緊張感を持たせています。この緊張を解放するためにはⅢ(E)に半音近いⅣ(F)に向かうのがちょうどよく、456を継続的に鳴らしたいときに有用ですね。


3つ目は、4-5-6-5 5へ戻ってきます。

 正確に表記するとⅣ-Ⅴ-Ⅵm-ⅤMというような進行です。CMajarだと、F-G-Am-Gという進行ですね。

こちらも最後に物足りなさを感じる展開となっています。4から6へ向かい、6からもどってくるような展開なのでⅣに向かいやすく、やはり456への繋ぎ、継続に向いていますね。4-5-6-3と比べると割とあっさりとした感覚で展開していきます。


4つ目は、4-5-6-1 急に1へ飛びます。

 正確に表記するとⅣ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅰというような進行です。CMajarだと、F-G-Am-Cという進行ですね。

こちらは今までのものとは打って変わって最後のコードへの納得感を感じられると思います。しっかりと終わりを感じるような音ですね。ただむしろ、納得感が強すぎてこのまま終わるとそのまま過ぎてつまらないと感じるかも。このまま続いてもこのまま終わっても違和感のないような展開です。わりと万能。

 

さて、一度ここまで出てきたコード進行+αを使ってメロディにコード進行をつけてみましょう

非常にシンプルな形で面白みが無いと感じるかもしれませんが、最初のメロディだけと比べるとかなり肉付きが良いというか、曲らしくなってきたのではないでしょうか?

途中聞き慣れないコードがあったと思います。8小節目と16小節目では、最初の方に述べたブルーノートを使ったコード進行を取り入れてます。一気にオシャレ感が出てきていい感じですよね。

今回使った分で言えば、作り方はそう難しくないです。コードで使っていた3=ⅢmをⅢとして使ってみると結構いい感じになりますよ。あと転回形とか。当然ながら今回紹介したものが全てではないので、順番を入れ替えたりいろいろなものを取り入れたりして試してみるといいでしょう。

その他のもの

ここからは456を変形させたコード進行を紹介していきます。とはいえ、区別は4-5-6のときとほとんど変わらないです。

 

4-6-5は4-5-6と比べると展開性が低く、結構落ち着いたような印象を感じます。間奏や控えめなAメロなんかで使うといいでしょう。多分。


1つ目は、4-6-5-3 4-5-6-3と似ていますね。

 正確に表記するとⅣ-Ⅵm-Ⅴ-Ⅲmというような進行です。CMajarだと、F-Am-G-Emという進行ですね。

 4-5-6-3と似たような役割を持ちますが、それと比べると輪をかけて落ち着いたを進行しており、より続きへの期待感を感じられるようなコード進行となっています。ただただ解放されるような展開がなくやるせないというか不完全燃焼と言うか、物足りないというか、そんな雰囲気があります。そのため、このコード進行単体で進めるのは難しいですが、その分解放的なコードが来たときのカタルシスはなかなかのものです。他の展開性のあるものと併用して使っていくのがいいでしょう。


2つ目は、4-6-5-1 最後の3が1になりました。

 正確に表記するとⅣ-Ⅵm-Ⅴ-Ⅰというような進行です。CMajarだと、F-Am-G-Cという進行ですね。

 4-5-6-1と似たような役割を持ちますが、それと比べるとより継続しやすい進行になっていると思います。これは5-1という動きが4へ行きやすい感じにする働きを持つので、次の4への期待感があるのでしょう。4-6-5-3と同様に他のコード進行と併用していくのが良いでしょう。


3つ目は、4-1-5-6 これは他のコード進行にくっつけて使うといい感じです。

 正確に表記するとⅣ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅵmというような進行です。CMajarだと、F-C-G-Amという進行ですね。動画では4-6-5-3,4-6-5-1の後ろに続けて書いています。

 この進行は今までとは少し違う使い方をするといいでしょう。動画で使ったように、後ろへ続きそうなコードと一緒に使ってあげるといい感じに展開しながら進められると思います。また、動画では最後の6の転回型を使ってます。転回することによって一気に終止感を醸し出すことができていますね。このように転回することによってなんか雰囲気変わる事があるので、気になるコードがあったらバンバン転回してみましょう。

 

 さて、一度ここまで出てきたコード進行+αを使ってメロディにコード進行をつけてみましょう

 なんというか……こう、変な感じになってるところが出ちゃいましたね。なんかもにょるというか……具体的には、4小節目、6小節目、14小節目のメロディとコードに違和感を覚えます。まあ私の個人的な感覚に過ぎませんが(笑)。

 メロディにコードをつけてみたら意外と合わなかった……と言うことは往々にしてあります。そういうときは思い切ってメロディを変えてあげるといいのかもしれません。例えば、違和感のある部分をコードの音を踏んでいく形に変えてみるとか。

 ということで修正してみたものがこちらです。

 収まりが良くなりましたね!

 4-5-6シリーズの編曲と比べると、かなり雰囲気の違う楽曲になったと感じられると思います。こちらはかなりさっぱりしたというか、爽快な感じがしますね。2つとも非常に似通ったコードを使った進行ですが、順番が異なるだけでこれだけ違いを感じられるのも面白いですよね。

 6から始まるコード進行群もなかなかおもしろい感じになりますので、後日公開される後編もぜひ読んでみてください。